親と距離をおき、恐怖を克服して今がある!

 

私は、子供のころから二十代前半まで、ずっとどもりでした。
態度が大きい割に、きちんと話をしようとするとどもってしまい、伝えたいことが伝わらず、
ただただ恥ずかしいという思いにさいなまれ続けました。
時にはその苛立ちから、極端な態度や言動をしてしまい、たびたび人間関係でもトラブルをおこしていました。

 

私の父もどもりでした。
仕事に行かず、日中ごろごろし、朝までテレビを見て過ごしていて、
少しでも気に入らないことがあると、私を罵倒し、時には手をあげました。
私は、いつもびくびくして過ごしていました。

 

母は仕事に出ていつも忙しく、ほとんど家におらず、家事もあまりせず、
父が私にしていることを知ってはいたようですが、見て見ぬふりでした。
今思えば、恐怖心と、仕事の疲れでどうすることもできなかったのかもしれません。
とにかく、私は誰にも守ってもらえず、おびえながら過ごすしかありませんでした。

 

そんな私の転機は、結婚です。
親の元から早く逃げ出したくて、大学を卒業すると、就職もせず、結婚して他県に移り住みました。
両親の存在から解放され、私自身の人生がやっと始まったのです。

 

それでもどもりはすぐには治らず、デパートのお中元コーナーのパートに応募して採用されたものの、
研修中に、お客様相手などとてもできないと怖くなってしまい、やめてしまったり、
同じ団地のご近所の人ともうまくコミュニケーションがとれずに悩んだりしていました。

 

 

そして、妊娠、出産。
生まれた赤ん坊がかわいくて必死に育児をする中で、
自分の子供に語りかけるときだけは、どもっていないことに気が付きました。

 

それから、薄紙をはぐように少しずつ少しず良くなっていきました。
自信もついてきて、心が晴れやかになっていくのです。

 

実家に帰って泊まるとき、恐怖で涙が出て眠れなかったりしましたが、
だんだん、親に何を言われても、しっかり、言い返すことができるようにもなってきました。

 

実家には帰りたくない。
親戚づきあいまではするけど、それ以上は関わりたくない、など、はっきり言えるようになったのです。

 

家を出てから二十年、今、どもりの症状は緊張した時や動揺した時は出てしまうものの、
日常生活にはほとんど問題はありません。

 

同じどもりの父も、折檻されて育ったそうです。
私の場合は結婚でしたが、親と距離をおき、
自分自身の人生を作ることができたのが、克服のカギだったと思っています。

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